Martin 3-17 (1889)

1889年製の3-17！

スタンダードチューニング用のサイズとしては最小のボディサイズで、最もレアで入手困難なサイズのマーチンギターです。

TOPはアディロンダックスプルース。

中央の杢は細かく、外側は杢目の間隔が広い材です。

当時の安いモデルと言えども、使われている材は素晴らしいです。

S/Bはブラジリアンローズウッド。

この時期のこのようなモデルには板目の材が使われることが多いのですが、この個体には柾目のブラジリアンローズウッドが使われています。

四角い穴のスロテッドヘッドとネックは黒く塗られており、アイスクリームコーンヒールと呼ばれるネックヒールが特長のネックです。

チューナーはオリジナルで、いくつかつまみが交換されています。

指板、ブリッジはエボニー。

指板上、サイドにもポジションマークのない仕様です。

ブリッジはピラミッドブリッジで、オリジナルが付いています。

寄木細工の入ったロゼッタはとても雰囲気が良く、1800年代らしい仕様の雰囲気が味わえます。

当時は同じ機種でもロゼッタが年代によって違ったりして、ロゼッタである程度の年代の特定が出来たりします。

ボディトップの外周にはウッドのパーフリングとブラジリアンローズウッドのバインディングが装飾されています。

数個のチューナーのツマミ、ナット、サドル、数個のブリッジピンは交換されていますが、オリジナルの主要パーツが残る良いコンディションです。

いくつかの割れの修理ありますが、塗装はオリジナルです。

オリジナルのコフィンケース付きで、このモデル名が書いてあるラベルが綺麗に残っています。

ただでさえ入手困難なモデルですが、ラベルが付いたオリジナルコフィンケース付きは探してもまず出てこないと思います。

この小さいサイズですが、余裕たっぷりの音量で、柔らかく抜けの良いトーン。

今まで見てきたナイロン弦マーチンの中でも素晴らしいサウンドの個体だと思います。

1コード爪弾いただけで出てくる色気たっぷりのトーンには誰もが虜になると思います。

オリジナルコフィンケース付きのレアなマーチン。

オススメの1本です。